山と家族

元JW2世が過去を消化する記録

父と母への手紙(1)

大切なお父さんお母さん
お父さんからの手紙をもらい8か月の間
いままで考えないよう封印していたエホバの証人だった過去とこれからを考えてきました。
二人からたくさんの愛情で育ててもらったはずなのに
どうしてもそれを思い出せません。
一緒に過ごした記憶はあり、暖かく楽しい時間も過ごしたはずで、

思い出すもののそれを塗りつぶしてしまうのが

▲▲から20歳までの年月です。

これはお父さんへ話そうとしてもいやだと聞いてもらえなかった話で
お母さんには真意が通じていない話です

 ▲▲で私は9~12歳まで過ごしました。
そのころの日常は
最低でも週2度、多いときは週に5度
一度に20回、多いときは30回以上
お父さんのベルトで、私は母に力の限りおしりを打ちたたかれていました。

「jwだから無償の親の愛がある」と繰り返し
「お母さんがjwではなかったら最低限の親の義務を果たすだけになるのよ!
「体育の時ブルマーからあざがはみださないようにこうして短く持ってたたいてあげて  いるの。これは優しさよ」といいベルトを手に巻き付け短くして持つ母
「鞭をしないなら愛がないってことだから」と
おしり丸出して壁に手をつく私へ、愛をくりかえしながら
「いまハルマゲドンが来たらあなたは死ぬのよ!」と死を叫び
ベルトを頭の上に振りかざす母の顔が横目に見え
ベルトが空気を切る音がする
ベルトはお尻にあたり、耐え難い痛みの振動が全身に頭の先まで伝わってくる
うめく声をださないよう息を止め、のどの奥を絞るように力をいれ。
口の中を歯でかみながら食いしばり痛みを耐える
1回、2回、とたたかれる数をかぞえることだけを考える


そのうち私は体も心も立っているのもやっとになる
しかしおしりをそらすとさらに回数はふえた
叩かれる瞬間に大きな声、泣き声、悲鳴を出すとさらに増えた
しかし回数がどんどんふえていくと、痛みを耐える力がなくなり
こころがくずれ、耐えられなくなる
どんなに我慢していても動物のようなうめき声がでてしまう

赤く腫れあがったおしりはパンツをはくのもひりひりしてつらく
時に痛みで「おえーおえー」とえずく
7歳くらいの★★ちゃんが涙を一杯ためた目で「お姉ちゃんだいじょうぶ」とかけより私の腕をつかんだ
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と2回言った
☆☆ちゃんはその横で、指を口にくわえ、不思議そうな顔でかわいくただ私をみつめている

 

このような日々をくりかえし
ムチは愛だと納得し逆に感謝するよう教えられるけれど
なぜか心が受け付けない、理解できない、
だれか助けにきてくれるかもしれないと期待し
子供だから単純によるねるときにえほばへ「このまま朝になってもめがさめませんように」と泣きながら祈る。
しかし朝はくるし、次の日もムチで何十回とたたかれる

そこで私が解決策にしたのは
ムチの「痛み」だけ感じること。
悲しさ、苦しさ、絶望感などの感情を心で感じないように、
と自分に言い聞かせる方法だ
心理学でいう被虐待児が自分を守るための「回避」「麻痺」
こころが殺され止まった時でした。

そうすることで
ムチのあと、座るのもつらいおしりのまま
お父さんが帰ってきて何事もなかったかのように夕食の準備をする母をみながら
私も何事もなかったかのように夕食を囲むことができる。

 

(2)へつづく