父はカルト宗教と静かに戦っていた。そして負けた。
エホバの証人は反対されるとされるほど信仰が燃えて強くなっていく。なぜなら、真の宗教こそ迫害されると教えられているから。
子供の私もそうだった。
父が不機嫌になるほど嬉しそうに母の顔を伺った。迫害されるってすごいことだよね!負けないよね!って気分になった。異常だ。
父はその不機嫌を決して私たち子供には向けなかった。妻に対しても集会へ行くな奉仕へ行くなとは言わず。ただ無言と不機嫌で貫き通した。激しく喧嘩するほどエホバの証人の思う壺だと分かっていたのかな。
実は今日Twitterでオウム真理教が迫害について『全く同じこと』を教えていたことを知った。
それがきっかけで「あれ?エホバの証人ってカルト宗教だ」としっかりはっきり認識した。
そこからだ、父は無言と不機嫌で静かにカルト宗教と戦っていたんだと気がついたんだ。
断絶後の私も一緒に戦うべきだった。
戦い続けていた父へ感謝すべきだった。
『考える時間は深さに比例しない』みたいな名言があるけれど、その通り。断絶して約30年。過去と真剣に向き合い取り組んでいれば、父がカルト宗教に負けることはなかったのに。何十年もかけて洗脳されることもなかったのに。
やっと気がついた私は今から何ができるのだろうか。